マコンデ村の今とこれからと

 マコンデ彫刻を売る店が並ぶ通称マコンデ村(GoogleマップにはMWENGE WOODCAVERS MARKETと記載されてた)。

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 ダルエスサラームの街中からは約10kmのムウェンゲ地区にあるマコンデ彫刻を売る店がたくさん軒を連ねている場所。

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 この8月に2度、足を運ぶ機会があった。
 でも、ほとんどお客さんがいなかったのだ。行ったのは土曜日の昼時だったにも関わらず。。

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 店先にTシャツや布やバッグなどのカラフルなお土産物が並び、店の中に入って行かないと、マコンデ彫刻の存在がわからないような店舗も増えたようだ。

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 店内にはちゃんとマコンデ彫刻たちがいた。ちょっと光りすぎているのもある気がするけど(靴墨で磨いていてたりする?)。

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 奥の方には埃を被っている彫刻たちも。この頭に釘がいっぱいの彫刻はいわゆるマコンデ彫刻ではないけど、惹かれるものがあった。

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このヒトは中央アフリカ、コンゴ地域のコンゴ人によって作られたンキシ ンコンディ(Nkisi Nkondi)を彷彿させる。

 仮面がたーくさんディスプレイされている店もある。多くの仮面が壁一面に飾られていて壮観である。

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 この店は父がやっていたのを継いだのだ店主は言う。彼は30代前半くらいだろうか。タンザニアのものだけでなく、アフリカ各地のものが集まっているそうだ。この店に売りに来る人たちもけっこういるんだと語っていた。
 一つ一つの仮面がそれぞれの物語を語ってくれそうである。

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 マコンデの人たちがダンスの時に被るマピコマスクもあった。”隣のおじさん”のような顔をしてて親しみやすいマスクのように思えるのはわたしが今、タンザニアにいるからか。

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  店主は「新型コロナの頃はほんとうにお客さんが来なくて参ったけど、最近やっと少しずつお客さんが戻ってきたようだ」と言ってたけれど、そうだといいね。これからよくなるといいね。
 一緒に行った友人が気に入った彫刻をいくつか購入したので、店主もホッとしてくれたのでは。(わたしは買わずにスミマセン)
 下の写真の中央が友人購入の彫刻。

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中央のカップルが今回友人が購入したもの。コンゴ民主共和国から来たものだと店主は言っていたと思う。二つで一組なのだそうだ。ザンジバルのパラダイスビーチバンガローズに行くときっと会えます。

 マコンデ彫刻家の知人によると、マコンデ彫刻家の数は減ってきているという。ベテランの年配者たち(モザンビークの解放闘争の時にタンザニアに移ってきたような人たち)が引退したり、他界したりしているが、若い人たちが参入してこない。なぜなら彫刻を彫ってもお金になるまでに時間がかかるからだ。すぐに現金が欲しい若者たちはそんな悠長なことはしていられないのだろうと言う。タンザニアの誇るマコンデ彫刻の未来はどうなるのだろう。

 店の裏手には彫刻家たちが集まっている場所があり、実際に彫っている姿が見られる。これからマコンデ彫刻となるアフリカン ブラック ウッド(スワヒリ語でmpingo)の原木も置いてあった。

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 彫刻家たち、働き盛りの年代の人たちが多そう。サイなどの動物を彫ってたり、奇妙なシェタニ(精霊)の作家もいて、彼らは彫刻するのが好きなんだろうなと思えてちょっと嬉しくなる。

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真ん中の写真はSKさん撮影。

 ここでも別の友人が気に入ったというウジャマー(人々が連なり合っている彫刻で連帯や共同を意味する)の彫刻を購入した。それぞれの表情がいい感じ。作者がこの上に墨を塗って磨くというのを、このままのほうが味があると止めたのだった。(作者は名前を失念しちゃったんだけど、上の写真の一番左の人)
 下記は作品を日本に持ち帰った友人が送ってくれた写真。大切にされてる感じが伝わる。

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撮影:SKさん

 興味のある友人知人と一緒にマコンデ村に行くのもマコンデ彫刻界を明日に繋げる一助になるかもと(ちょっと言い訳っぽく)自分に言い聞かせつつ、意欲ある作家たちが力を発揮できる場所が存続しますようにと願うのだった。

 

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