壊れたら終わりではない

 タンザニアでは調理に卓上のガスコンロを使っている。中国製で火力が強い。タンザニアでは、各家庭にガス管を配備するシステムはないので、LPガスのボンベを購入して繋いで使っている。のだが、先日の午後、ガス台とボンベを繋ぐビニールのホースがガス台に接続する部分が根本からポッキリ折れて取れてしまった。もう5年近く使っているから古くなってきてたのかもしれない。

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 ボンベのガスが切れた時に満タンのガスボンベをチャリで届けて取り替えてくれる近所のガス屋さんに連絡したら、店の兄ちゃんがすぐ来てくれたけど、「こりゃ、オイラの手には負えないねえ。カリアコーに修理してくれる店があるからそこに持ってったらいいよ」と言って去っていった。その日に来てくれてたお手伝いさんのZさんも「カリアコーに持って行ったらいいよ」と助言してくれたので、「明日、カリアコーに持ってゆこう」と心に決めた。

 翌朝、以前からの知り合いのタクシー運転手Mさんに来てもらい、修理すべきガスコンロをタクシーに持ち込む。Mさんに「こういうわけでカリアコーで修理を頼もうと思ってるんだけど」と伝えると「カリアコーのどこかい?なんて店?」と返された。
 わたしはすっかりカリアコーのガス器具の修理店と伝えたら「ガッテンだ!」と連れてってもらえるような気持ちでいたのだが、そりゃ、そうだよね、カリアコーったって広い。。。。

 しかしダルエスサラームでの運転歴も長いさすがのMさんは「カリアコーはごちゃごちゃしてるから、そうじゃなくて街中に知ってる修理店があるから、そこに行ってみようか。ガスコンロの修理もやってるかどうかはわかんないけど、ともかく行ってみよう」と、この能天気なわたしにありがたい言葉をくれるのだった。

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 Bombay Walla'sというその店は、街中のムウィショ通りとザラモ通り(Mwisho/Zaramo St.)の角っこにあるこじんまりとした店だった。キッチンまわりの電化製品の修理が専門なのだという。インド系と思われる店主は40代前後くらいで、父がこの店を興し、自分が継いだのだという。その父の写真も店の中に飾られていた。

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 ありがたいことにガスコンロもみてくれるという(最近はガスコンロの修理は持ち込みのみにしたそうだ)。助手のタンザニア人青年と共に点検を始めてくれた。

 その間にも顔馴染みらしき女性がミキサーが壊れたと持ってきたり、湯沸かしポットの修理を頼んでいた男性が取りに来たり、修理の終わった圧力鍋をバイクタクシーの人に依頼者に届けるように頼んだりと忙しそうだ。

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 「最近の製品は昔のに比べて壊れやすくなったよ」と店主は言う。それはユーザー(と地球)にとっては憂うべきことだけど、こういう頼れる街の修理屋さんがいるのは心強くありがたい。

 忙しい中、助手と共に30分くらいいろいろ点検してくれた。このガスコンロは取り替えないといけない管があるという。けれど、この店にはそのスペアパーツがないとのこと。店主が電話でそれがある近所の店から取り寄せようとしてたが、その店の対応が遅いので、別のおすすめの場所へ行ったらどうかという助言をもらう。もちろん点検代とかは取らない。

 お礼を言っておすすめの店へ運転手Mさんとともに向かう。Mさんも初めて行く店だ。(店の名前を失念。お世話になったのに)
 
 その店もインド系と思われるタンザニア人が店主だった。修理店ではなく、LPガス販売が主な仕事の店のようだ。倉庫のような店内にいろんな大きさ、いろんな会社の色とりどりのガスボンベが並んでいた。
 店主に「このコンロ、修理を頼めますか」と尋ねると、それを見てちょっと首を傾げて「新しいのを買った方がいんじゃない?」と言う。その店では新しいガスコンロの販売もしてた。

 「うーん」と言葉を探してると、何人もいる店のスタッフのうち2、3人が「やってみるよ!」と明るく言ってくれて、店の奥でスペアパーツを探し、修理し始めてくれたのだった。店主もやりたいならやったらいいさって感じで見守ってた。
 直ったかどうか点検するために店のLPガスと繋いで見せてくれたし、ガス漏れしてないか点検するために泡だった石鹸水(洗剤?)を管やホースに塗って調べてくれたりもした。テキパキとかっこいいこと!(写真からは伝わらないかもしんないけどカッコよかったんだ!)

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 直してくれたスタッフたちにお礼を言うととてもいい笑顔を返してくれた。店主の言う修理代15,000シリング(1円=約16シリング)を支払う。(その後こっそり?チップを少し修理してくれた人たちに渡す)
 店主のわたしへの見送りの言葉は「何かあったら新しいのを買いにきてね!85,000シリングだよ!」だった。

 それから二週間経つけどガスコンロはちゃんと作動してくれてる!お世話になった皆さんに感謝、Ahsanteni!
 

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