おいしいシャワルマ屋さんでの出会い

 午前中の用事が済んだけど、お昼にはまだちょっと早い平日の11時半頃にダルエスサラームの街中にいた。午後の予定を考えると、なんかお腹に入れておきたい。でもあんまり脂っこいものや重たいものは食べたくないかなあというときに浮かんだのが、シャワルマだった(わたしはこのブログでもずっとシュワルマと表記してその発音でも通じてたから疑問に思ってなかったんだけど、スペリング(Shawarma)を再確認したらシャワルマの方が近い発音なのかもと今になって気づいた💦)

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モスクストリートの一角


 日本ではドネルケバブと呼ばれることが多いようだけど、当地ではシャワルマである。Wikipediaにも下記のようにあった。
『シャワルマ (トルコ語: çevirmeもしくはçevirmek由来) は、羊肉や鶏肉を金属製の串に突き刺した状態で回転させて焼いた、レバント(レヴァント。トルコ・シリア・レバノン・ヨルダン・パレスチナ)近辺の料理[。トルコにおけるドネルケバブに対応するアラビア語名称で、アラブ諸国の場合ケバブ(カバーブ)というと別の串焼き肉を指すことが一般的である』

 さて、おいしいシャワルマということで脳裏に浮かんだのは、2014年に『おいしいシュワルマを探して』という拙ブログでもご紹介した「ローヤル ダマスカス」(モスクストリート。老舗食堂New Zahirの隣) というお店。結構しばらく長いこと行ってないけど、今も健在なんだろうか。

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 お店は看板も外れてしまってて、大丈夫かい?とも思ったが、店先ではちゃんとシャワルマのお肉がぐるぐるしていた。(ちょっとサイズが小型になった気はするが)


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 店内には4人席が二つ、3人席が一つのテーブルが置かれていて、相席状態でほぼ満席。まだ12時前だというのに。外国人っぽい人はいず、ほとんどの客の前には、チャイとチャパティが置かれていた。チャパティ1枚Tsh700で、店先の鉄板で次々に焼いていて焼き立てが食べられるようだ。(1円=約Tsh18)

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次々にチャパティを焼いてる

 
 シャワルマは一つTsh5,000だという。(2014年にはTsh4,000だった。)チャパティに比べるとかなり根が張る感じがするよね。まあ、そもそも別物なんだけど。今もおいしいんだろうか。

 会計係のお姉さんにシャワルマとマンゴーとパッションのミックスジュース(Tsh1,000)を頼んで、奥の座席が空いたのでそこに座った。(この時、その横の席も空いてたんだけど、その奥の席にいて食べ終わって離席しようとした男性が、わたしに”この奥の席の方がいいよ”とアイコンタクトと手振りで示してくれたのだった。その通り、店内が見渡せて落ち着く席だった)
 
 テーブルのわたしの向かいでは、わたしと同じ歳か少し若いくらいの(50代前半?)かなり細身で小柄な女性がミルクなしのチャイとチャパティをとっていた。最初だけ挨拶したけど、あとは話すでもなく、早く注文したのが来ないかな〜と待っていた。けれども後から来た人にチャパティやチャイが運ばれて来てるのに、わたしのところには一向に何も運ばれてこない。シャワルマって一種のファーストフードなのではなかったっけ?

 黙って待っていると、会計係とは別の店のお姉ちゃんが、今、持ってくるというような合図をわたしによこした。そしたら、向かいの女性もわたしに向かって少し微笑んで、指でテーブルを刺して”もうすぐ来るわよ”っていうようなジェスチャーをしてくれるのだった。気にしてくれてたのね。

 ジュースが運ばれてきた後に会計係の姉さんが「ピリピリ(唐辛子)はどうする?」とわたしに聞きにきて(これから作るんかい?)とも思ったけど、「ちょっとだけ入れて」とお願いする。

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 ウェットティッシュで手を拭いていると、向かいの女性が自分の食べ終わったチャパティのお皿をわたしの方にちょっと動かして(ここにその要らなくなったティッシュをおいたらいい)とやはり手振りで示してくれる。

 「ありがとう」と言ったついでに「この近くでお仕事してるんですか?」と尋ねると「そうだ」と答え、逆に「あなたはカリアコーに店を持っているのか?」と聞かれる。市場のあるカリアコーでバリバリ商売している中国人とでも思われたんだろうか?(こういうときにタンザニアの人が「あなたは何人?」とかそういったことを聞いてこないのはわたしは好きである)「いやいや、そうでなく、旅行関係です」と答えたけれども、あまり興味がなさそうだった。

 いよいよ程よいピリピリ加減のシャワルマが到着。お、やはりおいしい。温かなパンに包まれた鶏肉も柔らかく、野菜と調味料とのコンビネーションが醸し出す味もいい。以前と遜色ない。

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写真がいまひとつかもしれませんが、ほんとにおいしいのです。

 アルミホイルで包んであるので、バナナを剥くように食べれば食べやすいはずなのだけど、口の周りにつきやすい。紙ナプキンが欲しいけど、手の届くところにはないなあと思っていたら、席を立って帰ろうとしていた向かいの女性がなんと、店先の紙ナプキンが置かれている場所から数枚取って、わたしのテーブルにある空だったナプキン入れに入れてくれるではないか。以心伝心!?痒いところに手が届く!?なんて親切なの。

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赤い矢印がナプキンの移動経路。ナプキン入れの向こうに置いてあるのは向かいの女性のバックとスカーフ。

 そして、彼女はわたしにほんのりとした笑顔を見せると何事もなかったかのように店を出て行ったのだった。ああ、こういう人と出会えるから、だからタンザニアはいいなあ。ここにいられることが嬉しくなる。

 この日、こちらで仕立て屋さんに作ってもらったキテンゲ(アフリカのプリント布)のシャツワンピースを着ていた。シャワルマ屋さんに来る途中にすれ違いざまに「Napendeza nguo yako!(あんたの服、素敵だねえ!)」とわたしに告げて去って行った男の人がいた。彼は、歩みを止めないままだったから、顔もよく覚えてないのだけど、ああ、こういうことがあるのは、嬉しいなあと、感じていたところにこの店で畳み掛けるような出会いがあった。
 他人にいい意味で関心がある社会っていうのは、ほっとできる社会でもあるよなあ。そこにあなたがいていいんだよって言われている気持ちになる。

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その日、着ていた服。ムライさんというタンザニアの職人作。同じ布を使ったサンダルはサンダル職人のジョセフくん


 帰り際にお店の写真を撮らせてもらって(ちゃんと了承を得た)「看板、取れちゃってるじゃん」とシュワルマ係の兄ちゃんに言うと彼は元気な声でこう答えるのだった。
 「すぐにちゃんとつけるよ!だから、この店の名前を忘れないでよ。『ローヤル ダマスカス』だよ!『ローヤル ダマスカス』!またおいでよね!!」

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