イディのごちそうと広がる世界

 タンザニアでは、4月14日から始まったラマダン(断食月)が昨日5月14日に明けました。昨日と本日15日はIdd el Fitr(断食明け)の祝日です。

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イディ、おめでとう

 タンザニア生まれの息子の中学高校時代の友人Cさんの一家に、ラマダン明けのイディの祝日のお祝いランチ招かれました。美味しいもの大好きなわたしがもちろん断るはずもなく。断食もしてないのにちゃっかりお邪魔してきました。

 でも、Cさんの家ではなく、Cさんのお父さんのお兄さんの家で集まるとのこと。お兄さん一家とは初対面です。
 もう70歳に近いと思われるお兄さんの一家は、娘夫妻や子どもたち、孫たちという大家族で暮らしていて、とても賑やかです。

 集まった男性たちはムスリムの正装のカンズという長袖のロングワンピースのような衣装を着ていました。これを着ていると誰でも2、3割増し?で立派で格好良く見えるという魔法のような衣装です(とわたしは思ってます)。
 ちびっ子が身につけて胸を張っているのもとても愛らしいです。

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カンズを身につけた人々

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 女性たちは家族中心ということもあってか、スカーフもしてたりしてなかったりで、わたしも今回は(一応用意しましたが)スカーフせずに参加しました。

 さて、しばし子どもたちと遊んだり歓談したりしていたら、香辛料の芳しい香りが漂ってきました。
 今日のご馳走は、ピラウとカチュンバリ、フライドチキンです。オレンジジュース(もちろんアルコールはありません)とともにいただきました。

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 香辛料入り炊き込みご飯のピラウですが、本日のは、ここの家主(Cさんの父の兄)によるとこれは、アフガニスタンの首都のカブールの名を冠した”カブールピラウ”なのだそうです。初めての味でした。ニンジンや干し葡萄、そして牛肉が使われているとのこと。ニンジンの存在には気づきませんでした(溶け込んでいたのかも?)が、ヒヨコ豆と干し葡萄がふんだんに入ってることもあり、まろやか風味。子どもも喜びそう。骨つき牛肉の柔らかさにも打たれました。ピラウもほんと、いろんな種類があるんですね。ライムとピリピリの効いたサラダ、カチュンバリとの相性もバッチリです。Cさんのママはさらにてんこ盛りのピリピリソース(上の写真のサラダの下のペースト状のもの)をお供にしていました。強者。

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 フライドチキンもスパイシーすぎず、柔らかく、思わず食べ過ぎてしまいそうでした。

 デザートもこれまたちょうどいい甘さの優しい味わいがサクサクのアーモンドとのコンビネーションでさらに引き立つライスプティング、と思いきや、タンビプティングなのだそうです。タンビというのは、タンザニアでラマダンの間の1日の日没後の断食明けの食事フタリによく出てくる細い中華麺(ザンジバルで中国人が作っているのです)のことです。なんと麺プティング!(でも麺は細かくしてあったので麺らしさは感じず)さすがラマダン明けのご馳走ですね。

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 そのほか、超甘いスイーツたちも。これらは本日の訪問客たちが手土産に持ってきたものです。親戚や友人たちが何組も挨拶に訪れてはまた帰ってゆきます。イディの祝日にはいつもこのように過ごしているのだよとババC(Cさんのお父さん)が言っていました。

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 居間にはババCのご両親の写真が。まるで絵画のような髭も素敵な紳士とセピア色の画面のカンガをエレガントに巻いた女性。ファミリーヒストリーを伺うとこのお父さんは、1900年代初頭にインドから鉄道の仕事でタンザニアにやってきたとのこと。しばらくタンザニアで過ごすうちに仕事場の近くに住んでいたタンザニア人のお母さんと知り合い、結婚したのだそうです。それからずっとタンザニアに住んでいるのだとか。お父さんの出身地は今はパキスタンになっているとのこと。自分が海外にいるうちに出身国が変わってしまうというのはどんな気持ちがするのだろうと考えてしまいます。

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 ママC(Cさんのお母さん)は、ザンジバルの出身だそうです。ママCのお母さんには、オマーンやコモロのルーツもあり、お父さんはザンジバルの地元とともにイエメンのルーツもあるそうです。

 この一家のルーツの多さ、その広さに驚くというか、その広がりが羨ましく感じます。この日に集まっている家族たちも、肌の色もいろんなトーンの人たちがいるし、顔立ちも、いろいろです。文化が混じりあい、国境や民族も理屈じゃなく乗り越えてしまっているんじゃないかと。
 初めていただいたカブールピラウの味わいとともに、狭い世界に閉じこもっていてはいかんぜよと改めて思わせてくれるのでした。

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