『絵本から見るアフリカ』から見えてきたもの

 スワヒリ語のことわざにMilima haikutani lakini binadamu hukutana(山と山は出会えないけど、人と人は出会える)というのがありますが、まさに2月23日の
Karibu Africa
さんの催し『絵本から見るアフリカ』はまさに「出会い」の場だったのでは。人と人の出会いはもちろん、絵本との、スワヒリ語との、アフリカの文化やお料理やお茶やお菓子やグッズとの、そして手前味噌で言えばシェタニ(精霊)との出会いの場だったのでは?と。

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当日、ドリスさん(後述)がスワヒリ語で読み聞かせしてくれたケニアの絵本『ムチェシ、市場に行く』の表紙。生き生きとした市場の様子が描かれます。

 会場のこまばサロン暖炉は、駒場東大駅からほど近い閑静な住宅街の一角にある木の風合も美しい落ち着けるスペースです。もちろん暖炉もあります(が、当日は暖かかったので出番がなく)。

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暖炉の上のスペースのジョージ・リランガ作品など

 当日は、アフリカの絵本に関心のある方って多いのね、とあらためてびっくりするような多くの方が来てくださいました。かかわったものの一人としてはいとうれし。

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 新型コロナも心配になってきた時期でしたが、主催者のKaribu Africaの方たちも消毒液の設置や換気、手洗いのすすめなどに気を配ってくださってました。

 アフリカの絵本もたくさん用意されていて、なかなかこんなにたくさん一度に揃うことはないのでは?と思えるようでした。日本語のだけでなく、フランス語の絵本などもあり、大人気でした。(わたしは残念ながらあまりゆっくり絵本と接する時間がなく。。)

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©Karibu Africa


 アフリカ関連の出店もアラブ風お菓子、ルワンダの紅茶、西アフリカのアクセサリー、南アフリカの刺繍ぬいぐるみ、アフリカのストリートフードなど味のあるお店が揃ってますますにぎやか。

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朝の準備中!の写真

 わたしもジョージ・リランガのバティック作品やヘンドリック・リランガの水彩画やペン画などを展示いたしました。

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 12時からの口尾麻美さんによるクスクスワークショップも、モロッコの家庭を想像できるような楽しくおいしいワークショップでした。乾燥地帯だから水をあまり使わない料理を考え出したのかなと思ったり。モロッコの家庭でのワイワイと集まりながらのクスクス作りを想像してみたり。同じ釜の飯を食べるって感じなのかしら。

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できあがったクスクスとモロッコ風シチュウ。美味!


 ケニアのマゴソスクール出身で日本の大学で学んでいるドリスさんによる絵本の読み聞かせでは、ケニアとタンザニアの絵本が登場。プロジェクターで大きく映し出された絵本に合わせて、ドリスさんがスワヒリ語部分を語ってくれました。

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「ムチェシ、市場に行く」読み聞かせ中。

 ドリスさんによるケニアの果物のお話もまた楽しく。アボカド(ケニアはアフリカで一番のアボカドの生産地なのだとか)マンゴー、グアバ、パパイヤ、ジャックフルーツなどなど。タンザニアとほぼ同じで、ああ、食べたいと思うことしきり。安くてうまい果物たち。でもドリスさんの今の一番好きな果物はイチゴだそうですよ。

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©Karibu Africa ステキなカンガドレスのドリスさん。お隣は南アフリカで長く暮らしていたこの催しの協力者でもある津山直子さん(アフリカ日本会議代表理事)。

 わたしは「リランガのシェタニ(精霊)たち」というお話をいたしました。タンザニアはそこいらじゅう(たぶん日本も)にシェタニがいるけれども(バオバブの中とかも)、リランガのシェタニはちょっと特別というお話。

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お話し中。絵はヘンドリック・リランガの「太陽の神様が見ている」撮影:津山直子さん

 真夜中の夢の中から現れるというジョージ・リランガのシェタニのバティック作品のお話をタンザニア人の友人Fさんにスワヒリ語部分を手伝ってもらって、聞いていただきました。やはりジョージ・リランガのシェタニたちはあっけらかんと飄々と不思議をふりまくやつらなのだなと改めて思いました。なんか堂々としてるし。聞いてくださった方、いかがでしたでしょう?

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ジョージ・リランガのバティック作品

 久しぶりにお会いできた人たちもたくさんで、新しい出会いも多くありました。シェタニたちも喜んでいたんでは?企画してくださったKaribu Africaの皆さん、いらしてくださった皆さん、すてきな機会をほんとうにアサンテサーナ(ありがとうございました)!

 ここからまた新たになにかが生まれることでしょう。楽しみです。

    



 2月24日は夫、根本利通の3回目の命日でした。その日に以下のツイートをいたしました。
 彼のことを覚えていてくださる方、皆さんに心からの感謝を。

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