生まれた赤ちゃん。みんなで育てよう☆

 長屋の中庭には煮炊きねえさんやおばさんがいて、部屋の中にも女たちがいっぱい。皆、女の子を出産したばかりのKさんを手伝いに来ているのだ。Kさんの母、従姉、姉、妹、友人、友人の母などなど、女ばかり(妹の結婚相手の男性が約一名いたけど)とても賑やか。

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すやすやとお休み中の赤ちゃん。おでこの模様は祝福のしるしだそうな。

 
 Kさんは長らく我が家のお手伝いさんをやってくれてた。今はダルエスサラームにある京都大学のフィールドステーションで掃除や洗濯を手伝っている。4人姉妹の3番目で、なんとほかの3人はすでに皆、シングルマザーとなっている。姉2人は、義務教育の小学校教育終了後は学校に行かなかった。一番下の妹は、両親や姉たちの頑張りもあり、中学に進学させたのだけど、彼女も在学中に妊娠、出産してしまい、学校をやめることになってしまった。(でも、近々、2人いる子どもたちの父親と結婚することになったっそうだ。祝)

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 そんな姉妹たちをみてきたので、Kさんはシングルマザーの道は辿らないだろうと思ってたんだけど、あにはからんやだった。赤ん坊の父親(どこかで雇われている庭師らしい)は、そのことを認めているそうだけど、結婚する気は今のところ?ないようだ。。。

 でも一人娘のいる2番目の姉Aさんがが結核を患ってしまったとき、それまでAさんと一緒に暮らしていた中学生だった娘を、娘の父親Bさんが自分の住んでいる地方都市に呼び寄せ、学業を続けさせているそうだ。AさんとBさんが婚姻関係を結んだことはないそうだけれど、娘が学業を断念せずに済んでよかったよね。そういうこともあるんだね。

 その経過からか、Kさんがシングルマザーになったことを、Kさんの母親はじめ、誰も嘆いている様子はなく、積極的に家事や育児を手伝いに来ていて、とても賑やかだった。Kさんはすでに産前に一月、仕事を休んでいるので、あとニカ月産休を取り、仕事に復帰するそうだ。子どもを見てくれる人は、見つかるから大丈夫と言う。

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ママと赤ちゃん


 子どもを産んだことがある女たちが集まっていたため、出産時のとある公立病院の対応の悪さなどの話にもなった。陣痛がびんびん来ててもうすぐ生まれそうなのに、そうなってから、妊婦や産後すぐの女性たちが大勢寝ている病棟から、分娩室まで歩いて移動させるのはありえないとかいう話。また、タンザニアでは、病院で出産してもせいぜい一晩過ごすだけで、翌日には退院というのが一般的である。

 今回Kさんは予定日よりも10日も遅れ、にぶい痛みが続いてたので、27日に入院した。出産したのは28日の午前中。でも、Kさんが貧血気味だったため、病院に残り、手当をうけていた。退院したのは30日の午後。私立の総合病院で、妊婦はKさんしかいず、至れり尽くせり?のお世話をしてもらったそうだ。それがなんと全部無料だった。

 なぜかというと、我が家はかなり前から家のスタッフ(お手伝いさん、庭師、夜警)にもNSSF(National Social Security Fund)という社会保障をかけている。本人の給料から10%、支払う側が10%を拠出して毎月給料の20%を積み立て、退職後にそれが戻ってくるというシステム。利子もつくし、今回のように病気や出産のときなどに、治療代をNSSFが持ってくれたりする。いままでには、病院に治療を受けに行っても、NSSFと病院の連携がうまくいってなかったり、薬がないといわれたりして、サービスが使えないなどの問題もいろいろあったこともあったけど、今回はうまく行ったんだね。よかったねえ。

 タンザニアは日本みたいに国民健康保険などのシステムがないから、病気になったときがたいへんなんだけど、雇用者と被雇用者の積み立てによる社会保障システムを使っていくことはできる。
 
 女たちの心強い助け合いと、社会保障システムのサービスをうまく使いこなして、まだ名のない(それぞれが名付け親になろうとするからなかなか決まらない)Kさんの娘がすくすく育って行きますように。父ちゃんも参加してよね。

この記事へのコメント

aya
2015年08月12日 00:59
うわー、可愛らしい女の子♡ご出産おめでとうございます。

結婚に対する考えかた、やはりアフリカってどこも同じなんですかねー。そちらでは書類上の結婚をしてなくても、生活や子育てに関わっていく男性は多いんですか?

それにしても、社会保障のシステムも素晴らしいしKさんの職場の産休事情も素晴らしいですね☆
asami
2015年08月15日 03:15
ayaさん

ありがとうございます。ってわたしが産んだのではないけど。。
赤ちゃんってほんとに可愛いですね。

子どもを孕めても、おら、知らね。と逃げる輩が多いと思います。だから、Kさんのお姉さんのケースはなかなか意外なうれしさがありました。

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