タンザニアのカカオを求めて

 1人1人顔や性格が違うように、カカオ豆も産地によってそれぞれ個性があるのだって。

 タンザニアにもカカオ豆の産地はあり、その豆でタンザニアでチョコレートを作っているChocolate Mamasもある。

 タンザニアのカカオ豆は生産量こそ多くないけど、香り高いフルーティーなアロマ豆としてチョコレート業界では名高いらしい。カカオ豆にこだわるチョコレート作りをしているというイタリアのドモーリからはタンザニアのカカオ豆だけを使った「モロゴロ」というチョコレートが出ている。(なぜモロゴロなのかは、きっとモロゴロ州のキロンベロ産のカカオ豆を使ったからだろうね)

 日本でチョコレートを使ったアイスクリームや飲み物を提供するお店に関わっていた田中花波さんは、おいしいカカオ豆を求めて、ポーンと海を越えて、タンザニアにやってきた。初めてのタンザニアだ。おいしい豆を手に入れて、日本で作るだけでなく、生産者たちの農園で一緒にチョコレートを作りたいという野望も持っている。

 今年の前半にひょいっと1人でタンザニアに来た花波さんは、日本でわたしがカカオ農家へ行ったときのことを書いたブログを見たと言う。そんな縁でタンザニアで知り合った。そしてしばらくの間、ムベヤのカカオ生産地に滞在していた。

 残念ながら、今回はいろいろと条件があわず、生産地ではチョコレート作りができなかったそうだ。でも、発酵、乾燥させたカカオ豆を持ち帰り、日本でムベヤのカカオ豆のチョコレートを作ってみるという。次回のタンザニア訪問の時にそれを持参して、カカオ農家の人々にも食べてもらいたいと。

 そして今、日本にいるわたしは、ちゃっかり花波さん作のムベヤのカカオ豆のチョコレートをいただく機会を得ちゃったのだ。

 焙煎したカカオ豆をペースト状にしたカカオマスとお砂糖だけでできている、できて間もないチョコレート。春先の果物を思わせるような香り。ざらざらとした砂糖の控え目な甘さとともにライムのような爽やかな酸味とほろ苦さが口に広がり、優しい後味を残して溶けゆく。ムベヤの農場のカカオの木にぶら下がっていたカカオの実たちを思い浮かべた。

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 花波さんによると、できたてのチョコレートは酸味が強いことが多く、ひと月くらい寝かせるとまた違った味わいとなるのだそうだ。ならば、まだいただいてない分はひと月待ってみよう。でも、できたての初々しい?チョコが味わえたのは嬉しい。

 ムベヤの農家の人々が口にするのは寝かせて熟成したチョコレートになるのだろう。自分たちのカカオ豆でできたチョコレート。たぶん初めて味わうんじゃないかな。そのとき、どんな表情をして、どんな言葉を口にするのだろう。

 チョコレートの味わいの大部分はカカオ豆で決まるという。日本でもカカオ豆を大事にする「カカオからチョコレートまで(Bean to Bar)」のチョコレート店が増えている。花波さんが、タンザニアにお土産に持ってきてくれたのもそんなお店のひとつMinimalのコロンビア産の豆を使ったチョコレートだった。コロンビア産の豆の味わいはタンザニアの豆に似ているらしい。どうしてだろう。

 そんな縁?で今回Minimalのチョコレート作りのワークショップに参加したんだ。それはまた次回に。

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