水を買う☆Kununua Maji

 タンザニア生活23年目にして始めて大量の買い水をすることに…。

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水売りローリー


 最初の1年だけダルエスサラームのシンザ地区に住んでいたけれど、それからずっと現在のリージェントエステート地区の家に住み続けている。幸いなことにこのあたりは水道の水圧が高く、ときどきの断水や盗水はあれど、1週間以上水が出ないということは今までなかった。水道管はあれど水は出ない地域が多いダルエスサラームでは、幸運なことである。
(ここ23年の間、ダルエスサラームというかタンザニア全体で、電気も水も、ライフラインは一向によくなった感じがしないのも事実で困ったもんだ)

 先週、水道公社DAWASCO側に問題が起こり、ダルエスサラームの広い地域で3日間くらいの断水があった。我が家の水道も止まったんだけど、それが終わってほかの地域で出はじめてからも、うちのは、一向に出る気配がない。裏庭に合計3,000リットルのタンクがあるんだけど、その水もほぼ尽きてしまい、家の中のバケツなどに常備している溜め水や、明け方ほんのちょろちょろ水が出ることがあったので、大なべ小なべなどを持ち出して、溜めた水をほそぼそと使っていた。
 従業員さん用や犬小屋の掃除用の水はお向かいの家の井戸水を分けてもらったりも。

 DAWASCOにも、もちろんレポートを出したけど、原因を探るでもなく「そのうち出るだろうよ」なんて言うのある。DAWASCOのメカニックも自分からは来ないので、呼びに行くと、問題があるであろう大きな水道管のある場所を掘り起こすのが大仕事と見たのか、そこは放置しておいて、我が家の周りの水が出ている水道管を探し、「こことつなげればいい。そのための費用と労賃を見積もっとくから」と自分の懐にも入るようにお金を出させようとするのであった…。

 ご近所10軒ほどで同じ水道管から給水しているので、この近所中、断水が続いているんだけど、ほんとうに困っているのは、我が家とママKの家とあと1軒くらいで、あとは井戸を持ってたり、会社の経費で水が買えたりするので、それほど深刻ではないらしい。
 
 もう夫婦ともにリタイアして養鶏をしたりしながら暮らしているママKとその夫のババKは、困ったときにとても頼りになる人たちである。今回もいろいろ相談していた。わたしが弱気になって「いっそのこと、見積もり出したメカニックにお金を払って新たな水道管を引いちゃおうか」と言っても「DAWASCOにまずちゃんと原因を突き止めさせないとだめ。それをやってからの話よ」と言う。そうだよね、それが正論、筋というものだね。
(しかし、ママKがDAWASCOに電話して、クレームしたら「ダルエスサラームの人口はだんだん増えているけど、水の量は追いついていない。水が出ないで困っているんだったら、自分で井戸を掘れば?」と言われたそうな…。びっくりしたよ。そういう水問題をなんとかしようとするのが、君たちの仕事でしょ。)

 とはいえ、情報通の我が家の庭師Hさんによると、ママKの裏の家は(別の水道管から引いていて)水がよく出ているので、ママKは夜になると裏の家の夜警に頼んで、ホースで水をまわしてもらい、自分の家のタンクを満たしているのだとか。やるねえ、ママK。だから彼女も当座は困っていないのだ。

 わたしにはそういったウジャンジャ(*)が足りないので、とりあえず、一度水を買うことに。お向かいの井戸水を融通してもらうことも考えたけど、裏庭にある我が家のタンクまでホースが届かないし、かなり大量の水になるので、ちょっと気後れがしたこともある。

 頼りになる庭師のHさんがチャリで走って給水の商売をしているタンクローリーと話をつけてきてくれた。最初3,000リットルで6万シリングと言ってたのを、5万に値切ってきてくれた。
 
 ちょうど我が家で待機していた会社の運転手のNさんの住んでいる地域の水道管は最後に水が出たのは何年前!?という錆びきったものなので、常に買い水をしているんだという。小型トラックの荷台に水タンクを載せた水売りが巡回してくるそうで、1,000リットル1万シリングで購入しているそうだ。それに比べれば、2倍近い料金なのだけど、その小型トラックの水売りはこの近所にはやって来てないので、仕方がない。それに買うのは今回こっきりだ。ママKとともに原因を追求するのだから!!負けないぞお。

 ローリーは小型のもので、ちょうど3,000リットルくらいの水の容量だそうだ。  運転手含めてたけど、大の男が4人もやって来た。

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 塩分の混じった井戸水などを売っていることもあるので、タンクに入れる前にまず、わたしとHさんとNさんの3人でちょっとなめてみる。おお、だいじょうぶそう。「どこから水を手に入れるの」と水屋の兄ちゃんにきくと「DAWASCOから買ったのさ」と言う。複雑な気分。わたしはDAWASCOの水をその何倍の値段で買うことになったんだろう。そういう商売が成り立つんだね。

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どんどこ水の出る幸せ

 
 タンクの横には「SWEET WATER」と書かれていた。日本でも美味しい水は甘いというよなあなどと眺めていた。

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 1000リットルと2000リットルのタンクは瞬く間にいっぱいになり、久々に遠慮せずにシャワーが浴びられ、料理のやる気もでるという幸せな夜を迎えたのであった。ほんと、水があるだけで、すごく満たされた気分になる。

 だけど、これで一件落着!なわけではないのだ。闘い?は続くよっ。

 とはいえ、DAWASCOの怠慢は追求するとしても、増える人口、限りある水をどう分け合っていくのか、ということも考えていかないといけないんだよね。ダルエスサラームにだって年中水が出ないから毎日バケツやコンテナの水を少しずつ買い、節約しながら使い続けている人たちがたくさんいるんだもんね。

 

(1円=約20シリング)
 

*:ウジャンジャ(ujanja)は、悪知恵というような意味のスワヒリ語だけれど、それを賢く使うたくましさ、というプラスの意味が含まれている気がする。
『ウジャンジャは「狡猾さ」や「賢さ」を意味する言葉であり、狡知、策略的な実践知である』…『都市を生き抜くための狡知』小川さやか著 世界思想社 より

この記事へのコメント

Umeme umekatika
2012年01月28日 23:32
友人宅の裏に住む長老が、自宅の庭に通っているDawascoの水道管を夜間に掘り返し、近所の人たちに売っていました。
自分はタダで仕入れているくせに、小さいバケツ一杯50シリングで売っていて、いい小遣い稼ぎになっているようでした。
でも、誰もDawascoや警察に密告しないところをみると、それだけみんな水の確保に困っているということなんでしょう。

ダルエスの井戸水はしょっぱくて、水浴に使うとどうも後の心地が良くありませんね。
それにしても、次々と井戸を掘っては水を汲んでいて、地盤沈下が起きないのか気がかりです。
asami
2012年02月01日 17:43
Umeme umekatikaさん

昨日はババKがDAWASCOの技術者を連れてきてましたが、解決せず、まだ断水継続状態です。20数年前から変わらぬライフラインの悪さ、どこかで「だんだんよくなる」という幻想を持ってたんですが。水や電力事情がよくなることはないだろう、という前提で今後の身の振り方?を考えていかないといけないかも?と悲観的になってます。でも、電気はともかく、清潔な水へのアクセスは(わたしたち隣近所だけでなく全人類にとっての!)切実な問題ですよね…。
aya
2012年02月02日 05:50
お水は生活に不可欠ですもんね~20年以上改善されないのもすごいけど、それでもどんどん人口が増え続けてる都市の暮らしがどうにか成り立ってるってのもすごい!
ママKは以前も登場した頼りになるご近所さんですよね?力を合わせてがんばってくださーい☆
asami
2012年02月04日 21:25
ayaさん

うーん、でもこれ以上人口が増えるとどうなっちゃうんだろう?とも思います。ウジャンジャで切り抜けていけるんでしょうか。
ママKのこと、覚えていてくれたんですね!ほんと、頼りになります。

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    Excerpt: あまり日常的になりすぎて、ブログのネタにもできなかった今年の出来事は断水。それは、断続的にではあるけれど、半年以上に渡ったのでした…。とほほ。 Weblog: タンザニア徒然草 racked: 2012-12-30 21:44